供養・葬儀

犬が亡くなったらやること|順番に沿ってひとつずつ、大丈夫です

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この記事を読んでいるということは、大切な愛犬を亡くされたばかりか、その日が近いのかもしれません。

まず、伝えさせてください。慌てなくて大丈夫です。 いますぐ決めなければいけないことは、実はほとんどありません。

わたしは動物病院に受付・診療補助スタッフとして約6年勤め、たくさんのご家族のお見送りに立ち会ってきました。そして2年前、自分自身も16歳のミニチュアダックス「チョコ」を見送りました。現場を知っているはずのわたしでも、その夜は何も考えられなくなりました。

だからこの記事は、「順番に、ひとつずつ」進められるように書きました。上から順に読んでいただければ、必要なことがすべて終わるようになっています。

やることの全体像(時系列)

いつまでに やること
当日 1. 体を整える → 2. 安置する
1〜2日以内 3. 見送り方(火葬)を決めて予約する
数日以内 4. 火葬・お見送り
30日以内 5. 市区町村へ死亡届(犬のみ)
期限なし 6. 供養のかたちを決める・心の整理

ひとつずつ、順番に説明していきます。

1. 体を整える(当日)

亡くなってから2〜3時間ほどで、体が少しずつ硬くなりはじめます(死後硬直)。その前に、してあげられることがあります。

  • 手足をそっと胸のほうへ曲げる — 硬直が始まると姿勢を変えられなくなります。棺や箱に納めやすいよう、眠っているときのような姿勢に整えてあげてください。すでに硬直が始まっていたら、無理に曲げなくて大丈夫です。
  • まぶたと口を閉じる — 開いたままのことがあります。そっと閉じて、しばらく軽く押さえていてください。
  • 体を清める — ぬるま湯で湿らせたタオルやガーゼで、体や口元、お尻まわりを優しく拭いてあげてください。体液が出てくることがあるので、お尻の下にペットシーツやタオルを敷いておくと安心です。

これは「処置」ではなく、最後のお世話の時間です。声をかけながらで、大丈夫です。

2. 安置する(当日)

火葬までの間、ご自宅で安置します。ポイントは「冷やすこと」と「涼しい場所に寝かせること」の2つだけです。

  1. 箱や棺(段ボールでも大丈夫)にタオルや毛布を敷いて、寝かせてあげる
  2. 保冷剤やドライアイスを、お腹と頭のまわりに当てる(タオルに包んで)
  3. 直射日光の当たらない、家の中でいちばん涼しい部屋に安置する
  4. 夏はエアコンをつけて、保冷剤をこまめに交換する

この状態で、冬場なら2〜3日、夏場でも1〜2日はご自宅で一緒に過ごせます。つまり、火葬を今夜のうちに決める必要はありません。

安置のより詳しい手順はこちらの記事にまとめています(猫の記事ですが、犬もまったく同じ手順で大丈夫です)。

3. 見送り方を決める(1〜2日以内)

ここがいちばん迷うところです。選択肢は大きく分けて4つあります。

方法 遺骨 費用の目安
自治体の引き取り 残らない 数百円〜数千円
合同火葬 残らない(他の子と一緒) 数千円〜2万円程度
個別一任火葬 返骨される 1.5万〜4万円程度
個別立ち会い火葬 お骨上げできる 2万〜5万円程度

※費用は体重・地域・業者により変わります。必ず事前見積もりで総額を確認してください。

わたしがチョコのときに選んだのは、自宅まで来てもらえる訪問火葬(個別立ち会い)でした。そのときの体験はペット葬儀サービスを使ってみた感想に正直に書いています。

選び方の軸はひとつだけ——**「あとで後悔しないか」**です。病院の窓口では「費用を抑えて合同にしたけれど、遺骨が戻らないことをあとで知って後悔した」という声を何度か聞きました。逆に、合同で送って「みんなと一緒で寂しくないね」と納得されているご家族もいます。正解はご家族の数だけあります。

各選択肢の詳しい比較は見送り方の選択肢まとめを、火葬当日の流れと費用の内訳はペット火葬の流れと費用相場をご覧ください。

電話で確認すること(最低限この3つ)

  1. 総額はいくらか(出張費・骨壺代・深夜料金込みか)
  2. 遺骨は戻るか、立ち会えるか
  3. 追加料金が発生する条件

4. 火葬・お見送り(数日以内)

服装は平服で大丈夫です。棺には、好きだったおやつや手紙、少量のお花を入れられることが多いです(プラスチックや金属、厚い毛布は入れられないのが一般的です)。

お見送りの日にしてよかったこと——わたしの場合は、毛を少しだけ切って残したこと、肉球のスタンプを取ったこと、そして家族みんなでたくさん写真を撮ったことでした。

5. 市区町村への死亡届(30日以内・犬だけ)

犬は狂犬病予防法にもとづく畜犬登録があるため、死後30日以内に市区町村への死亡届が必要です(猫には必要ありません)。

  • 窓口またはオンライン(電子申請に対応する自治体が増えています)で手続き
  • 鑑札狂犬病予防注射済票の返却を求められることが多い
  • 手数料は基本的に無料

手続きを忘れると、翌年も狂犬病予防注射の案内はがきが届いてしまい、つらい思いをすることがあります。落ち着いたタイミングで大丈夫なので、済ませておいてください。ペット保険に入っていた場合は、保険会社への連絡も忘れずに。

6. 供養と、心の整理(期限はありません)

遺骨をどうするか、お仏壇を置くか、いつまで悲しんでいいのか——これらに期限はありません。

納骨堂、自宅供養、手元供養、散骨。選択肢は見送り方の選択肢まとめの後半にまとめています。急いで決めず、気持ちが追いつくまで骨壺と一緒に過ごすご家族もたくさんいます。

そして、悲しみが長く続くのは、それだけ深く愛した証拠です。眠れない日が続くようなら、ペットロスとの向き合い方も読んでみてください。わたし自身が救われたことを書いています。


最後にもう一度だけ。慌てなくて大丈夫です。

冷やして安置すれば、考える時間はちゃんとあります。深夜にひとりで決めきれないときは、24時間相談できる窓口に「相談だけ」の電話をして、翌日の段取りを聞いておくだけでも、心が少し軽くなります。あなたとその子の最後の時間が、穏やかなものになりますように。

よくある質問

死亡診断書は必要ですか?
犬の場合、人のような死亡診断書は基本的に不要です。ただし死後30日以内に市区町村への死亡届(畜犬登録の抹消)が必要です。鑑札と狂犬病予防注射済票を返却する自治体が多いので、手元に用意しておくとスムーズです。
夜中に亡くなった場合、すぐ火葬業者に電話すべきですか?
慌てて深夜に決める必要はありません。保冷をして安置すれば、時間をかけて選べます。ただし24時間受付の窓口に「相談だけ」の電話をして、翌日以降の段取りを聞いておくと気持ちが落ち着くこともあります。
動物病院で亡くなった場合はどうなりますか?
多くの病院では、ご遺体を自宅に連れて帰るか、提携の葬儀社を紹介してもらうかを選べます。その場で決められないときは「一度連れて帰ります」で大丈夫です。ご自宅で安置して、落ち着いてから見送り方を決めてください。