供養・葬儀

ペット葬儀サービスを使ってみた感想|訪問火葬でチョコを見送った日のこと

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2年前の春の深夜、ミニチュアダックスフンドの「チョコ」が、わたしの腕の中で静かに息を引き取りました。16歳。腎臓病と長く付き合った末の、穏やかな最期でした。

覚悟はしていたつもりでした。動物病院で6年間、たくさんの飼い主さんとお別れの場面に立ち会ってきたわたしです。でも、いざ自分の子を見送るとなると、まったく別のことでした。

この記事では、そのときわたしが訪問火葬を利用して、チョコを見送った日のことを、できるだけ正直につづろうと思います。良かったことも、こうすればよかったと思うことも、そのまま書きます。これから見送りを考えている方の、ほんの少しの支えになればと願っています。

深夜に逝ってしまって、朝まで何もできなかった

チョコが亡くなったのは、日付が変わってしばらくたった頃でした。

呼吸が浅くなっていくのは分かっていて、その夜はずっとそばで背中をなでていました。そして、ふっと呼吸が止まった。ああ、逝ってしまったんだ、と。

不思議なくらい涙は出ませんでした。ただ、腕の中の温もりが少しずつ冷めていくのを感じながら、わたしは何もできずにいました。

「こんな時間に、どこかへ電話していいものだろうか」。「そもそも、まず何をすればいいんだろう」。頭では動物病院での知識があるはずなのに、悲しみのなかではまったく働いてくれませんでした。

結局、その夜はチョコを毛布にくるんで、体を保冷剤で冷やして休ませ、朝を待つことにしました。安置さえきちんとすれば数日は猶予があると、後から思えば分かっていたはずなのに、そのときは「早くしなきゃ」という焦りと、「まだ離れたくない」という気持ちの間で、ただ座り込んでいました。

今になって思うのは、あの「何もできなかった時間」も、きっと必要な時間だったということです。すぐに手続きに動いていたら、チョコとふたりきりで過ごす最後の夜は、なかったかもしれません。冷たくなっていく背中をなでながら、16年分の思い出をぽつぽつと語りかけた、あの静かな時間。あれはあれで、わたしにとって大切なお別れの一部だったのだと、今なら思えます。だから、もし今あなたが同じように動けずにいるとしても、それを責めないでほしいのです。

電話をかけるまでの、長い迷い

朝になって、ようやくスマホを手に取りました。でも、そこからがまた長かったのです。

正直に言うと、わたしはこう思っていました。「葬儀の業者なんて、どこも同じようなものだろう」と。

そして同時に、こわさもありました。以前、悪質なペット葬儀業者のニュースを見たことがあったのです。高額な追加料金を請求されたとか、遺骨の扱いがずさんだったとか。そういう話が頭をよぎって、「変なところに頼んでしまったらどうしよう」と、電話をかける指が止まってしまいました。

大切なチョコを、最後の最後で悲しい思いにさせたくない。その一心で、わたしは何社かのホームページを見比べました。料金がはっきり書いてあるか。どんなプランがあるか。口コミはどうか。悲しみのなかで気力を振りしぼるのは大変でしたが、今思えば、この「比べる」というひと手間が大事だったと思います。

「どこも同じ」という思い込みは、たぶん、決めることのしんどさから逃げたい気持ちの裏返しだったのだと思います。早く楽になりたい。でも、その気持ちのまま最初の一社に飛びついていたら、わたしはきっと後悔していました。ほんの少し立ち止まって比べたことで、心から任せられると思える相手に出会えた。悲しみで頭が回らないときこそ、この小さな一歩が、後の自分を守ってくれるのだと実感しています。

最終的に、料金の内訳が明確で、立ち会いのプランがあり、電話の対応が丁寧だと感じた訪問火葬の業者さんに、お願いすることにしました。

問い合わせから当日までの流れ

ここからは、実際の流れを時系列でお伝えします。「どんなふうに進むのか」が分かるだけでも、少し安心できると思うので。

1. 電話・問い合わせ まず電話をしました。チョコの犬種と体重、亡くなった状況を伝えると、落ち着いた声で「まずはこうしてあげてくださいね」と安置の仕方を教えてくださいました。この時点で、少しほっとしたのを覚えています。

2. 見積もり 体重に応じたプランと料金を、その場で教えてもらいました。個別立ち会い火葬でお願いすることにし、骨壺代や出張費が含まれているか、追加料金がないかを確認しました。ここははっきり聞いておいて本当によかったです。

3. 日程の調整 当日の午後に来ていただけることになりました。無理に急がされることもなく、「ご家族の気持ちの準備ができてからで大丈夫ですよ」と言ってもらえたのが、ありがたかったです。

4. 当日、車が来る 時間になると、火葬設備を積んだ車が家の前まで来てくれました。大きな会社名の表示などはなく、静かに配慮してくださっていました。担当の方も、終始おだやかで丁寧でした。

5. お別れの時間 火葬の前に、チョコとゆっくりお別れする時間をとってくださいました。好きだったおやつと、いつも使っていた毛布を一緒に。「たくさん話しかけてあげてくださいね」と言ってもらい、わたしはやっと、たまっていた涙をこぼしました。

6. 火葬 その子だけを、丁寧に火葬してくださいました。待っている間、担当の方がそっとそばにいてくれて、その距離感がちょうどよかったです。

7. お骨上げ 火葬のあと、家族でお骨を拾わせてもらいました。小さな体だったけれど、しっかりと骨が残っていて。「ちゃんとここまで生きてくれたんだね」と、また泣いてしまいました。

頼んでよかったこと3つ

体験して、心から「お願いしてよかった」と思ったことが3つあります。

  • 最後まで立ち会えたこと: お別れの時間からお骨上げまで、そばにいられました。「見送った」という実感が、たしかに残りました。
  • 落ち着いて進められたこと: 急かされることなく、わたしのペースに合わせてくださいました。悲しみのなかでは、この「待ってくれる」姿勢が本当に支えになります。
  • 自宅の近くで見送れたこと: 訪問火葬だったので、チョコが長く暮らした家のそばでお別れできました。移動の負担もなく、住み慣れた空気のなかで送れたことが、心を軽くしてくれました。

事前に知っておきたかったこと2つ

一方で、正直に「これは知っておけばよかった」と思うこともありました。同じ後悔をしてほしくないので、こちらも書いておきます。

  • 追加料金の確認を、もう少し細かくすればよかった: わたしの場合は問題ありませんでしたが、プランに何が含まれ、何がオプションなのかは、細かく確認しておくにこしたことはありません。悲しみのなかでも、ここだけは冷静に聞いておくと安心です。
  • 時間に余裕をもっておけばよかった: お別れの時間は、思っていたよりあっという間でした。「もう少し話しかけたかった」と後から思ったので、当日は予定を詰め込まず、心にも時間にもゆとりを持っておくことをおすすめします。

どちらも、業者さんが悪かったという話ではありません。悲しみのなかにいると、こうした確認や心づもりがどうしても後回しになる。だからこそ、事前に少しだけ意識しておくといいと思うのです。

「ちゃんと見送れた」という実感が、わたしを支えている

チョコを見送ってから2年がたちました。

今は、柴犬の「そら」とキジトラ猫の「もも」と暮らしています。にぎやかな毎日のなかで、それでもふとチョコを思い出して、さみしくなる夜があります。

でも、あのとき「ちゃんと見送れた」という実感が、そういう夜のわたしを、静かに支えてくれているのです。最後まで立ち会えた。お骨を拾えた。おだやかに送り出せた。その一つひとつが、後悔ではなく、あたたかい記憶として残っています。

もちろん、ペットロスがなくなったわけではありません。悲しみとの付き合い方についてはペットロスの乗り越え方の記事にも書いていますが、「きちんと見送れた」という土台があるかどうかで、その後の心の回復はずいぶん変わるように思います。

これから選ぶ方へ

最後に、これから見送りを考えている方へ、体験からお伝えしたいことがあります。

ひとつは、できれば複数の業者さんの見積もりを比べてみることです。わたしが「どこも同じ」という思い込みを手放して比べたからこそ、丁寧なところに出会えました。料金の内訳やプランは、業者さんによって思っている以上に違います。地域・業者・時期によっても変わるので、必ず見積もりで確認してください。

もうひとつは、24時間相談できる窓口を、あらかじめ控えておくことです。お別れのタイミングは選べません。深夜に逝ってしまい、朝まで動けなかったわたしだからこそ、これを強くお伝えしたいのです。「いつでも相談できる先を知っている」というだけで、いざというときの心の余裕がまるで違います。

見送り方全体の選択肢についてはこちらの記事に、火葬当日の流れや費用の詳細はこちらの記事にまとめています。あわせて読んでみてください。

特定の業者さんを「ここが一番」と言うつもりはありません。大切なのは、あなたとその子に合うところを、落ち着いて選べること。そのための準備を、少しだけしておいてほしいのです。

ちゃんと見送れたことは、後悔を減らしてくれます。あの日のわたしがそうだったように、きっとあなたのこれからも、静かに支えてくれるはずです。

よくある質問

深夜に亡くなったら、すぐ電話していいのですか?
わたしの場合は、深夜に亡くなったチョコを前に「こんな時間にかけていいのか」とためらってしまい、朝まで待ってしまいました。でも後から知ったのですが、24時間対応の窓口も多くあります。あわてて即決する必要はありませんが、まず相談だけでもしておくと気持ちが落ち着きます。安置さえきちんとしておけば、日程は翌日以降でも調整できることがほとんどです。
立ち会いは最後まで見られますか?
個別立ち会いのプランであれば、お別れの時間からお骨上げまで、家族で立ち会えることが多いです。わたしのときも、最後まで見送ることができました。ただしプランや業者さんによって範囲が違うので、申し込みの前に「どこまで立ち会えるのか」を確認しておくと安心です。つらければ途中で離れても大丈夫、という配慮をしてくださるところもありました。
訪問火葬は、近所に知られませんか?
わたしが利用したときは、車に大きな会社名などの表示がなく、静かに配慮してくださいました。近所に知られたくないという声は多いようで、そうした配慮をしてくれる業者さんは少なくありません。ただしこれも業者さんによって異なるので、気になる場合は問い合わせのときに「車の外観や作業中の配慮」について聞いておくと安心だと思います。